私立中高一貫校生について
目次(見出しをクリックすると該当箇所に飛びます。)
1.私立中学生の現状
2.私立中高一貫校の特色
3.中高一貫校生の保護者さまからよく寄せられるご相談事例
私立中学生の現状
◆憧れの中学に入学も・・・
中学受験で頑張って志望校に入ったにもかかわらず、入学後勉強で困ってしまう生徒さんは少なくありません。苛烈な中学受験の結果、「合格で燃え尽きてしまった」「合格したら遊んで良いとの約束で、合格後入学まで遊び過ぎてしまい、勉強習慣が無くなってしまった」「補欠合格は良いが、周りに付いていけない」「滑り止めに入って簡単に上位を狙えるだろうと過信していると思わぬところで躓いてしまった」などなど悩みを抱える生徒さんは多くいらっしゃいます。そこで奮起して頑張って成績や順位を上げることが出来れば一番ですが、一度低迷してしまうと上位に上がるのは至難の業といえます。せっかく頑張って入学した中学ですから、お母様がガミガミ言わなくても済むような6年間の学園生活にしたいですね。
◆どうやって勉強すればよいのか分からずに困る生徒も
学校の先生は成績が悪い生徒に「予習・復習をきちんとしなさい」の一点張りです。ご家庭でも「ヒマな時間があるなら勉強しなさい!」という話で口げんかもあったりするのではないでしょうか?
生徒は決して勉強をしていないのではありません(もちろん、中には本当にしていない生徒さんもいますが・・・^_^;;)。
多くの生徒は「勉強の仕方」が分からないのです。予習をするつもりで教科書を開いても、よく分からない、学校の独自カリキュラムのため市販の参考書では対応できない、授業でただ一生懸命ノートを写すだけで内容が頭に入ってこない、などの「負のスパイラル」に陥っている可能性があります。
学校の宿題や小テストも多くそれぞれをこなすだけで手一杯、やる気がないわけではないけれど後手後手に回ってしまって、大変な状況を作り出してしまっているという悪循環・・・。
それらを断ち切るためにも上手に学校と個々に合わせた学習を行う必要があります。
私立中高一貫校の特色
◆大学受験を早くから意識した授業スタイル
私立中高一貫校は中1の時点から6年後の大学受験を強く意識してカリキュラムが作られています。中学受験の時の集団塾に6年間通うと考えてもらってもよいかもしれません。そう考えると大変ですよね。「説明会では『手厚くフォローがあります』と聞いていたのに・・・」と、実際に入学されてから思われる親御様も多いようです…
もちろん成績の悪い生徒には追試等の措置がありますが、一人ひとり分からないところに焦点を当てて説明するということはまず行われません。学校が求めている結果はあくまでも東大をはじめとした難関国立・早慶・医学部への進学実績ですから、必然的に成績上位者に向けた授業内容・進度となってきます。なんと中2の段階で高校範囲に入り、高1の段階で高校範囲をすべて終わらせてしまう学校もあります。
◆独自カリキュラムに基づいたハイレベルな教材やオリジナル教材
公立中学で用いられる検定教科書はほぼ使われず、
(中にはそれらを「必要ありませんから捨ててください」と指示を出す学校まであるほどです!)
検定外教科書である、私立中高一貫校独自のハイレベルな教材を使用する学校がほとんどです。中学用教材ながら高校の範囲までもが組み込まれており、学校の授業で理解が進めば非常に効果の高い教材です。しかし、なかなかうまく使える生徒が少ないのが現状です。
*検定外教科書(私立中高一貫校用教材)の例*
数学:体系数学、システム数学、精解数学問題集、4STEP、ステップパワード、マスグレード、サクシード、新A class 数学問題集、フォーカスゴールド、フォーカスゼータ、プライム数学等
英語:New Treasure English(ニュートレジャー)、Progress21(プログレス)、Birdland(バードランド)、English Search(イングリッシュサーチ)、PYXIS(ピクシス)等
体系数学・体系問題集/数研出版
数研出版のテキスト。非常にメジャーで、体系数学1・2で中学数学を網羅できるため、正に中高一貫校向けに作られたテキストです。
1次方程式の後に連立方程式や不等式が登場したり、比例・反比例の後に1次関数がセットになるなど、似た単元をまとめて、中学3年生の内容を2年分に圧縮した教科書になっています。
そのため、数学が苦手な生徒にとっては進むペースも早く、特に代数は前の単元で出来ていないと、その影響を次の単元で即座に受けるので、一度躓くと引きずってしまい、そのまま数学が苦手になってしまうケースが多いです。
また、代数・幾何で分かれているため、得意な方を優先し、不得意な方を後回しにしてしまう生徒も多いので、代数・幾何ともにバランスよく勉強しておかないと、中学3年生で高校数学に入ってから中学内容で苦労する生徒が多いです。
体系数学問題集では教科書で登場しなかった問題で出てくるため独学では勉強しにくい面も見られます。
4STEP/数研出版
数研出版のテキスト。公立・私立・中堅・上位問わず使用され、高校数学におけるもっともメジャーなテキストの一つです。
基礎から応用まで幅広く、入試に向けて最低限押さえておくべき問題が網羅されています。
中学2年生までは体系数学を利用し、中学3年生の高校数学からは4STEPに移る学校も多くあります。学校の定期対策としては「STEP A」「STEP B」を解けるようにしておけばよく、発展問題は飛ばしても支障がない学校が多いです。
※最上位校の定期テストの場合は発展問題から数題出題されることがあり、扱わなければいけない場合があります。
※解説書が式の羅列や途中式の省略になっていることがしばしばあり、独学で進めるには時間を浪費してしまう可能性もあります。
入試問題を解くための「色々な観点から問題を捉える能力」はこの問題集では不十分ですが、「量をこなしているうちにすぐに数値を公式に当てはめられるようになり、オーソドックスな解法パターンを身に付けられる」という利点はあります。
4STEPの中でも難易度の高いB問題の解説動画を当塾では作成していますので、宜しければご活用ください。
4STEPのB問題解説動画(現在更新中)はこちら(外部サイトへ飛びます)
精解中学数学・精解中学数学問題集/学習研究社(学研)
学研が出版している私立中学生用教材で、内容は高校入試問題から抜粋された問題が多く難度は高く上位私立校で利用されることが多いです。
体系数学問題集を上回る難度の高い問題数を集めていることが特徴ですが、基本問題が少なく反復して解法を身に付けていく生徒にとっては厳しいテキストになっています。
応用問題であることを表す「やや難」「難」というチェックはありますが極少数であるため、標準問題をどれから優先して解いていけば良いのか分からずに膨大な分量を目の前に行き詰まってしまう生徒たちが多いです。
例題も少ないため、独学ではかなり数学が得意(または中学受験時に算数が得意だった)でなければ嫌になってしまうかもしれません。
重要度の高いものや解法の繋がりのある問題を選んで進めていく必要があります。
システム数学・システム数学問題集/啓林館
啓林館と河合塾が提携して出している教材で、体系数学と同じく「システム数学1~システム数学5」の5段階に分かれており、1と2は体系数学・精解中学数学と同様に「代数編・幾何編」の別冊子に分かれています。3・4・5の学習内容も、体系数学とほぼ共通です。システム数学は教科書として単元の内容を理解することに特化したつくりになっており、問題自体はほとんど掲載されていません。
そのため、授業では学校が作成したプリントや板書で基本の考え方を説明されてから、『システム数学問題集』をどんどん進めていく学校が多いです。アクティブラーニングを目的としていると出版社が表記しているように、システム数学問題集は、他の中高一貫私立校用の教材と比べると、一つ一つの問題に対しての誘導は丁寧な作りになっています。各問題に対して「方程式の解き方①」のように表題がつけられており、教科書の指定のページを見れば問題を解くための基本の考え方が分かる形式です。システム数学とセットで用いていくことで効果を発揮する教材となっています。しかし、普段の学校の授業で教科書を使っていない学校が大半ですから、自習で教科書を活用しようとしてもなかなか上手くいかない生徒たちが見受けられます。
また、他の教材と比べて掲載されている問題数が少ないため、特に計算問題については十分な修練を出来ないまま学習が進み、計算の手順が未定着であったり、スピード・正確性に欠けたまま先に進んでしまうこともあります。問題集の学習にあたっては、苦戦する問題に対しては教科書の引用ページを確認して問題の考え方を確認して取り組む手順を指導してあげること、定期試験で時間切れにならないような迅速で丁寧な問題処理を可能にするために、計算問題については反復の演習を行うことや、類題の演習を追加するなどの対応が有効です。
フォーカスゴールド/啓林館
啓林館のテキスト。数研出版でいうところのチャートになります。
図や解説がとても細かく、一つの解法だけでなく他の解き方も掲載されており、いわば高校数学の辞書のようなテキストです。
したがって公式に当てはめてパターン練習するような問題は少ないので、ある程度基本が身についた状態で臨まなければいきなりこのテキストから学ぼうとするのは大変です。
数研出版のチャート式は易しい順に「白」「黄」「青」「赤」と色がわかれているいるのに対し、フォーカスゴールドは特にそのような分類はありません。
チャート式の「青」に近いですが、問題が簡単な順になっていないので特に数学が苦手な生徒にとっては「前から順に解いていったら難しくて先へ進めない」「どの問題が重要かわからない」という声をよく聞きます。
どの問題が重要で、どの問題が絶対解けなくてはいけないのかを教えてほしいとの依頼が多いです。
New Treasure English(ニュートレジャー)・文法問題集・WORKBOOK(ワークブック)/Z会出版
一定レベルより上の私立中高一貫校で最近最も多く使われている教材です。
収録されている単語数が中3までに約3300語(検定教科書で1000語前後)あり、高校の範囲を含めると約6300語(検定教科書で2700語前後)にもなります。
中1のときは何とかお母さんがテスト前に横について教えられていたのが、「中2になると例文の単語も突然難しくなってきて教えるのも大変・・・」という声も保護者の方から聞くほどです。
また、「テスト前は文法がよく分からないから、とにかく本文や例文をそのまま暗記しちゃってました・・・」という生徒の声も多くあるように、単語だけでなく自ずと高度な文法力も要求される内容となっており、テスト前にテキスト右側の「キーポイント」やテキスト左側の「本文」を仕方なく「丸覚え」してテストに臨んでしまう生徒が多いのも事実です。
しかし、その勉強法ですと受験に必要な英語の基礎力は付きにくく、初見の英文を訳せなかったり英作文が書けなかったりします。
そのため、『ニュートレジャー』のページごとの文法を、『ニュートレジャー』に載っていない基礎的な内容から遡って、「ルール」として理解させてあげることが必要です。
それが出来るようになると、テキストの例文や本文を文法の「ルール」に則って自分で訳せるように、また英作文も自力で書けるようになります。
『New Treasure English(ニュートレジャー)』には、『WORKBOOK』、『文法問題集』という別冊の教材がついています。
学校によっては、リーディング教材として『ニュートレジャー』教科書のみを使い、『WORKBOOK』や『文法問題集』を配らないという学校もあります。
『WORKBOOK』は『ニュートレジャー』教科書の内容の単語や例文、本文に出てくる単語、熟語、重要表現の空所補充や並び替え、英作文問題が並んでいますが、Lessonごとに割いているページ数が少ないので、あまり量を稼ぐことは出来ず、そのまま問題を覚えてしまって終わってしまう生徒も少なくありません。
それに対し、『文法問題集』は『ニュートレジャー』のカリキュラムに対応して文法事項が独立して解説され、そのあとに問題が載っているという問題集なので、『ニュートレジャー』を使う多くの生徒にとっては、最良の問題集と言えますが、「普段の学校の授業では『ニュートレジャー』の教科書しか使わないから、『文法問題集』を学校の試験前に溜めてしまって全部出来なかった・・・」という生徒も多くいます。
ニュートレジャーは3rd Editionになって難易度がかなり上がりました。
そちらの解説動画を当塾では現在作成中ですので、宜しければこちらから参照ください。(外部サイトへ飛びます)
PROGRESS 21(プログレス)・PRODRESS 21 REVISED(プログレス 改訂版)・WORKBOOK・LIST OF WORDS・WORD WORKOUT/株式会社エデック(出版)/イエズス会出版(著作権)
イエズス会出版が著作権を持つテキストで、主にカトリックの進学校で用いられているのが、この『PROGRESS 21』『PRODRESS 21 REVISED』です。
細かな文法事項も多いですが、その説明がほとんどされていないテキスト(Checkで簡易な説明はありますが、なかなか理解できる生徒さんが少ないのが現状です)で、問題の解答もついていないため、「学校の授業で先生が口頭だけで説明したから分からなかった・・・」「自分で一応調べて解いたけど合っているか分からない・・・」「丸覚えで勉強をしているけど、少しでも内容を変えられたら対応できない・・・」と自学自習でつまずく生徒もたくさんいます。
また、Lookが新出事項の例文、Practiceがその内容を使った練習問題になっていますが、問題もすべて英語で書かれているため、そもそも設問の意味が把握できない生徒も多数います。まずは文法をきちんと理解させることはもちろんのこと、それとあわせてPracticeの設問の意図を伝えてあげた上で取り組ませてあげる必要があります。Readに関しても受験でよく出される説明文(評論文)は少なく、物語文(小説文)や会話文で構成されているものも多く訳出だけでなく背景知識まで踏み込んであげないといけません。
このプログレスの進度に対応している問題集が『WORKBOOK』のみで、どの文法問題集をやればいいのか分からないという相談をよく受け、このページに合う問題を用意して欲しいという要望も多いです。学校側がこの教材をどう使って授業を進めているかを把握してあげた上で、授業を行ってあげないといけません。つまり、この教材を使ってどう勉強をするのかまで指導してあげないと効果が出ないテキストなのです。
最近はこの『PROGRESS 21』を使わなくなり、上記の『New Treasure English(ニュートレジャー)』や他の教材へ変更する学校も増えてきています。
◆入学しても競争は続く・・・
成績に関してはどこの学校も厳しく言われることが多く、高校入学時に素行の面ではなく成績の面だけでふるい落とし(高校へ進学できない)も行われることがあります。
定期テストや実力テストにおいて順位が発表され、生徒の競争意識を高める学校がほとんどです。
成績の良い生徒は良い順位を目指し、モチベーションを高く保つことができますが、成績が下位になると現状を突き付けられやる気を失ってしまう生徒もちらほら・・・。
また大学付属校の場合、大学進学や学部選定に高校3年間の成績が必要になることが多いですが、中学校の時に低迷した生徒が高校になって成績が上がることはかなり稀という結果も出ています。したがって入学直後から着実な勉強を求められます。
中高一貫校生の保護者様からよく寄せられるご相談事例
■学校の授業進度が速すぎて、基礎学力のないまま進んでいき、どうしても平均点をこえられない…
■試験前に慌てて勉強するだけで日ごろの勉強習慣が付いているのか不安。親の言うことを聞く年齢ではないし…
■滑り止めに入学したから上位に入れると思ったのに…
■学校で作成したオリジナルの教材を使っているので、内容が高度でついていけない…
■学校のカリキュラムが中高の内容を縦断しているので市販のテキストでは全く対応できない…
■学校の成績が悪く、高校に持ち上がれなかったらどうしよう…
■親が教えられる範囲を超えてしまった、教えられても親が相手だと子供が聞く耳を持たない…
■中3で高校分野に入って、急に付いていけなくなった…
■理系に進みたいが、今の順位では厳しいと学校側から言われた…
■大学受験の進路は本人に任せているが、数学が出来ないから文系というのはちょっと…
■大学受験を見据えてもっと理・数・英を得意科目にしたい…
☆「成績を上げたくない」と思っているお子様はいません。ただ「どう勉強するのか」という日々の勉強姿勢の作り方、そして何よりも「分からない問題が出たときの解決策」を分かっていない生徒さんが多いのです。
ましてや私立独特のカリキュラムを「1対複数の指導」でカバーするのは不可能といっても過言ではありません。学校によって進め方は全く異なりますし、学校のクラスや担当する先生によっても進度がバラバラだからです。
理数英に特化した完全1対1の個別指導だからこそ、学校のカリキュラムと個々の状況に合わせて効率よく対策することができます。
成績が上がれば生徒の見る先(目標)が変わります。
そのために、私たちは真剣に成績アップにこだわります。
生徒様ひとりひとりにあわせた進め方についてお話できればと思いますので、お気軽にご相談ください!
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市が尾校:045-978-6500
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